精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士は、「精神科ソーシャルワーカー（PSW）」と言われる精神面に何らかの問題を抱える人に対しての社会的ケア活動を指示・指導していくための仕事です。
国家資格として扱われており、介護福祉士、社会福祉士と合わせて三大福祉士資格として位置づけられています。

この3つの福祉士資格の中でも、精神保健福祉士が設置されたのは最も新しく1997年からです。
これはそれまで介護や福祉を必要としている人というのは身体的な障害がある人が中心になってきたところ、急激に精神面の問題がクローズアップされてきたということがあります。

本人の資質や性格の問題であるかのように言われてきた精神疾患も、実際には身体の障害同様に機能的な問題によって引き起こされるものであるということが社会的に認知されたことにより、この精神保健福祉士という資格が誕生しました。

仕事や家庭生活において過剰なストレスを継続的に受けることにより発症してしまう精神疾患もあり、精神保健福祉士はそうした支援を必要とするさまざまな人の話を聞き、最も適した支援は何かということを考え提案していきます。

精神保健福祉士の魅力、なり方、適性、必要なスキル

精神保健福祉士として仕事をしていくときには、まず国家試験に合格する必要があります。
資格がなければ必ずしも就業をすることができないというものではないのですが、精神疾患への正しい理解や現行制度における支援体制についてきちんと理解がなければサポート業務をすることはできませんので、実際には多くの人が資格を取得してから勤務をしているのです。

資格試験を受けるには受験要件を満たす必要があります。
いくつかのルートがありますが、基本的には4年制大学で指定科目（福祉系、精神保健系）を修了した人と同等の学力や経歴がある人が基準です。

試験科目としては精神疾患とその治療方法についてや、精神保健福祉の相談制度についてが全般的に問われます。

主な就業場所となっているのは医療機関や福祉行政機関、生活支援サービスなどですが、その他にも司法施設や就業関連の施設で勤務をする場合もあります。
特に近年では一旦精神疾患により退職などをしてしまった人に対して、社会復帰をするためのプログラム作成が重要な任務となっているのです。

ハローワークや職業訓練施設に勤務をする精神保健福祉士も増えてきており、職業を続けていくための支援に高いニーズがあることがわかります。

もっとも、資格を取得してすぐにそうした職場で具体的な業務ができるわけではなく、実務経験を通して自分の専門分野を作っていくというキャリアパスが一般的です。
資格取得をゴールとせず、どういった仕事をしていくかということが、精神保健福祉士には重要になります。