和菓子職人の仕事内容

ここ近年、じわじわと人気が高まってきているのがオリジナルの和菓子です。
和菓子というと、仏前に供える時など冠婚葬祭用のお祝い菓子という印象がありますが、本来はもっと気軽に毎日楽しんで食べることができるものです。

おやつというとケーキやクッキーのような洋菓子が中心となっていましたが、ここ数年の間に全国の和菓子店でオリジナルのお菓子が開発されるなど動きが活発になってきました。
その関係で、和菓子職人を目指したいという人も増えてきているのです。

和菓子を専門に作る職人さんの数は全国で約8万人いるとされており、特に地方都市で地元ならではの伝統菓子つくりを継承している人が目立ちます。
和菓子はそれぞれの季節の雰囲気をお菓子で表現するという、芸術や伝統作品という側面もありますので、今後も正しいお菓子づくりをすることができる人材育成は非常に重要であると言えるでしょう。

なお日本三大和菓子処とされているのは京都・金沢・松江で、かつて大きな城下町として栄えたとともにお茶文化が積極的に取り入れられたということで、他の地域と異なる文化を形成しています。
これまでは伝統的な菓子文化を持つ地域では常に同じお菓子を作り続けることが役割とされてきましたが、むしろ逆に伝統的な菓子文化を持つ地域ほど新しい商品を積極的に開発しているというのも特徴的です。

和菓子職人の魅力、なり方、適性、必要なスキル

和菓子職人となるためには、和菓子製造を行う会社や工場に就職をすることになります。
就職をするために事前に何らかの資格が必要になることはありませんが、基本的な技能を身に着けている方がより待遇よく採用されるチャンスが広がるでしょう。

ただしお菓子作りは創意工夫よりも、きちんと分量や手順を守るということの方が重要になってきます。
最初に作り方を教えてもらったら、あとはそれをどれだけきちんと実行できるかということの方が求められるのです。

専門学校で和菓子の基本を学ぶこともでき、その場合は製菓や調理の学校で和菓子を専攻します。

資格では、国家資格で技能検定である、全国和菓子協会主催の「和菓子製造工」というものがあります。
こちらの資格ではあんや寒天など、和菓子独特の材料を使ったお菓子作りを学んでいくことになります。

ただし、資格取得者であっても就職をしてすぐから実際のお菓子作りを担当させてもらうということは少なく、まずは1~2年程度の下積みを経験します。
下積みの時期は給与も安く、なかなか生活面で厳しいということもありますので、就職をするときにはきちんとそのあたりのことも考えて職場を選ぶようにしておきたいところです。

独創的な和菓子を作れるようになると、自分のお店を持ったり和菓子カフェを作ったりというように就職先が広がります。