食品衛生監視員の仕事内容
食品衛生監視員とは、全国の主要な空港や港に設置されている検疫所において、輸入食品の検査や食中毒の調査、食品製造業や飲食店の監視・指導・教育などをしていくための仕事です。
あまり職業名称としては一般的ではありませんが、その役割は非常に重要で、検疫所の他にも地域の保健所などにも国家公務員として勤務をします。
必要に応じて、地域の食品関係営業者に対して食品の保存や加工の安全状態について調査をすることも業務としています。
もし環境衛生面に適していないと判断した時には、業務停止や営業停止を命じることができるのです。
ここ最近では企業の不祥事案件として、食品材料の産地偽装や消費期限違反、さらに加工途中の異物混入といったことが頻繁に報道されるようになりました。
食品衛生監視員は、そうした食品に関する問題が起こった時にそれぞれの管轄地域の事業所を訪れ、是正勧告を出すとともに営業活動の制限、チェックといったことを担当していきます。
食品衛生監視員の魅力、なり方、適性、必要なスキル
食品衛生監視員は国家公務員であることから、まず厚生労働省の採用試験に合格することが必要です。
この採用試験を受験するためにも一定の要件を満たす必要があり、学歴や年齢制限によって受験ができないということもあります。
採用試験の条件は年度により若干変更点がある場合もありますが、基本的には21歳以上30歳未満までの者で、大学において薬学、畜産学、水産学、農芸化学の課程を修了したものとなっています。
大学の既卒者であっても、食品衛生監視員の養成学校に入ってそちらで必要な科目を修了した場合も、同様に受験資格が得られます。
採用試験では専門知識を問う問題も出題されており、分析化学もしくは食品化学についてかなり高度な内容を解答しなくてはいけません。
なお採用試験に合格をしたあともすぐに就職ができるというわけではなく、まずは採用候補者名簿に登録をされ、そこから各都道府県の人員状況に応じて配属先が決まっていきます。
食品衛生に関する業務は年々社会的重要性が高まってきており、より厳密にチェックをすることができる人材が多く求められています。
安全な食品管理をするとともに、外来種の持ち込みを防ぐなど国民全体の利益に関わる任務を担う職業です。