ブランド鑑定士という仕事をご存じでしょうか? 彼らブランド鑑定士は、必ず買取専門店に在中しているブランドを鑑定するプロです。ここではブランド鑑定士になるために必要な資格やブランド買取店で取り扱う品物に関して調べてみました。

ブランド鑑定士とは

ブランド買取ショップや質屋において、買取を依頼されたブランドの真贋鑑定をしたり、査定額を決めたりします。買取を依頼されたブランドが本物である可能性が高い場合ブランド鑑定士は、ブランドの状態や中古市場での人気からブランドの買取価格を決定します。買取専門店の主な業務はブランド品を買取って、それを中古として販売すること。そのためブランド鑑定士は、買取専門店にとって重要なポジションを担う仕事をしているといえます。

ブランド鑑定士になるには

買取専門店に就職する

ブランド鑑定士になるには2つの道があります。一つ目は買取専門店や質屋などにブランド鑑定士として就職することです。ネットの求人広告には数多くの「ブランド鑑定士募集」の求人が掲載されており、採用されればブランド鑑定士となれるのです。

経験のない人間を買取専門店が雇うかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、多くの買取専門店の求人広告には「未経験でも可」と記載されている場合が少なくありません。なぜなら買取専門店の多くが研修制度を設けており、未経験者であってもブランドの鑑定・査定方法を学習できる研修制度を設けています。そのため未経験者であってもブランドの鑑定方法や査定手法などを学習できるのです。参考:ブランド買取 エコリング

自分で買取専門店を立ち上げる

買取専門店を開業するのに必要な、古物商許可証を申請したのち許可がおりるとブランドショップをオープンできます。
このケースの場合、鑑定・査定方法は自分で学習しなければなりません。

ブランド鑑定士に必要な資格

一般社団法人日本流通自主管理協会という偽ブランド品の流通防止と排除を目的とした組織があります。そこではブランド鑑定士を対象とした試験や講習を実施してます。試験に合格すると協会基準判定士に認定してくれるので、買取専門店に就職する際には有利になるかもしれません。

ブランド買取店で取り扱う品物

買取専門店では、それぞれの店舗によって取り扱う商品はさまざまです。一般的に買取専門店では下記の商品を取り扱っています。

ブランド品

シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなど高級ブランドバッグを始め、サイフ、洋服、アクセサリーなどを扱っています。これ等のブランドを鑑定するにあたってどのようなブランドの種類があるのか知らなければなりません。

時計

ロレックス、オメガ、タグホイヤー、ブライトリングなどの高級時計を扱っています。買取専門店の中にはパテックフィリップを扱っているお店もあるほど。

宝石

サファイヤ、ダイヤモンド、エメラルド、ルビーなどの宝石を始め、翡翠やキャッツアイなど一般にあまり知られていない宝石も買取をしています。

金・プラチナ・銀

記念硬貨(金・銀)やフィルハーモニー金貨・プラチナ硬貨、プラチナバー、ゴールドバー、シルバーバーなどを扱っています。ただし一日に取り扱える量が決まっているお店もあるので事前にどういう取扱いをしているのか確認をしましょう。

小型家電

ダイソンブランドの掃除機やルンバなどのお掃除ロボ、カメラ、スマートフォンなどの小型家電があります。

骨董品・美術品

買取する店舗によっては、掛け軸、油絵などを取り扱っています。

ブランド鑑定士に必要な3つのスキル

資格が必要のないブランド鑑定士ですが、重要なのは実績と目利きです。つまり正確にモノを判断するスキルが必要になってきます。細かな傷はもちろん経年劣化を見極める目など見るべきポイントはたくさんあり査定ひとつで買取専門店の利益が左右されます。中でも真贋判定はブランド鑑定士として腕が一番試される場面です。資格こそ必要ないものの、重要な役割を果たすブランド鑑定士にはどんなスキルが必要なのでしょうか?

真贋判定ができる確かな目

ブランドアイテムは人気であればあるほど模造されます。コピー品を判定する要素は多々ありますが、コピー品を作る業者も負けておらず、いたちごっこが続いています。真贋判定マニュアルは、各店舗にあるもののそれも日々変わりますから真贋判定にITを取り入れる買取専門店もあります。最終的に判断するのは人間なので、いつもと手触りが違ったり、色合いが違ったりそういった小さな変化に気付けるスキルが必要です。

トレンドを理解しブランドのちゃんとした知識がある

ブランドに対しても個人の好みに偏らず世界中のあらゆるブランドを把握している必要があります。ブランドの歴史、購買層、定番ラインはもちろん、「シーズンごとに出る新作」や限定品すべてを網羅し、常に新情報を入れていかなくてはなりません。つまりブランド鑑定士は、ブランドの流行り廃れを予測するのもスキルとなるのです。

相場を読む確かな目

トレンドにも通ずるのですが、鑑定士は常に適正な審査をする必要があります。つまり相場を知ることが最も重要なのです。相場を知るにはオークションに参加したり、市に参加したりすることが有効です。なぜならオークションや市は価格があからさまに価格に反映されるからです。需要がなければたとえ新しくても、定価が高くても需要がなければ売れません。市やオークションでそうした判断を鍛えるのもブランド鑑定士のスキルを高めることになります。

ブランド鑑定士の将来性

実は、ブランドの買取業専門界が誕生してから20数年しか経過していません。業界としては歴史が浅いのです。ラクマやメルカリなどのフリマアプリの登場で競争が激化することが予測されますが買取専門店はこれからも伸びていくことが予測されます。しっかりとした商品相場と真贋判別能力があれば就職には困らないでしょう。さらに、業者オークションに出入できるため転売をして起業や独立もできるようになります。

ブランド鑑定士の年齢と求人傾向

ブランド鑑定士に年齢制限はありません。また転職先としても選ばれるやすい職種なので、ある程度の年齢でも就職可能です。雇用形態はほとんどが正社員の募集となっています。月給20万円~となっていますが、ブランド鑑定士として初めの頃はまだまだ知識が浅いので、もらえる給料はそれより低いといえます。キャリアを積んで数多くの経験をすれば、鑑定士としてのブランディング価値を上げることにつながり、年収も上昇します。

まとめ

ブランド鑑定士になるための方法、必要な資格、鑑定・査定に必要なスキルなどを紹介しました。リサイクル、リユース、リデュースの観点からも、ブランド鑑定士は将来性のある仕事です。雇用形態も正社員、20万円以上のところも多く、転職先としても有望ではないでしょうか。